NISSAN FAIRLADY Z432R
(HASEGAWA 1/24)


 これはモデルカーズの「今月の1台」の項の為に製作いたしました。
 キットの内容は、基本的に以前発売されていたZ240のバリエーションであり、ボディ及びシャシーは共通で、ノーズやシート等の異なる部分のパーツを差し替えて構成されたキットです。 全体の印象はいままでのハセガワのキットと同様、表現を押さえた、すっきりと清潔感の感じられるものです。
 先に発売されていたZ240のキットを見た時には、ダッシュボードの部分等「なんでこんなパーツ割をしているのか?」と疑問だったところが、実車Z432Rのディテールをチェックしていくと「ああ、このキットを出すことが前提だったのね」と、思わず納得してしまいました。流石にフロントウィンドウ以外がガラスからアクリルに変わっていることは再現できませんが、巧みなパーツ割りで見事にZ432Rを再現しています。
 但し、実車とキットには何点か異なる箇所もあります。 実車はスチール製のホイールに4.5J-14のタイヤの組み合わせですが、キットはマグネシウム製のホイール(ノーマルのZ432用)がパーツ化されています。また、実車は整流目的のFRP製アンダーカバーが取り付けられてますが、キットではそのパーツがありません。 そして、インストの指示で他のバリエーションとの共通パーツであるボディやシャシー等に穴を開けたりモールドを削り落としたりする指示があり、インスト上でその指示をきちんと確認して組んでいくのがポイントですが、そこにはボディからアンテナ基部のモールドを落とす指示が欠けています(コンソールのラジオのモールドを削る指示はされているのに)ので、製作の際に注意する必要があります...と製作時は思ったのですが、アンテナを差し込む穴がゴムのキャップで塞がれている場合もあるみたいで、削らなくてもそのモールドを黒で塗ればOKだったのかもしれません。
  今回の製作については特に大きな改造は施していませんが、せっかくZ432R標準装備のオイルクーラーがパーツ化されているので、フロントグリルのメッシュの部分をエッチングメッシュに置き換え、オイルクーラーのパイプもアルミ線や手芸用のビーズで追加しました。そして、シートベルトを絶縁用のアセテートテープとタミヤから最近発売されたウィングセットに入っているシートベルト用のエッチングパーツで再現しました。
 また、ドアやリアゲートのキーの部分をキットのモールドを削って1ミリのアルミパイプで再現しましたが、フィラーリッドはZ432Rではキー無し(ノブのみ)ですので、そこだけはアルミ線で再現しました。 なお、キットはシャシーとボディの固定がリア側はそれぞれの凹凸にはめ込む形状ですが、フロント側はちょうどシャシー側のフェンダーの頂点の処で最終的に接着剤で点付けすることとなっております。作業中は何度も仮組で付けたり外したりする必要があるので、 ここは一寸改良して取り外しができるようにしました。
 まずはシャシー側に0.8ミリのピンバイスで穴を開けて、ボディと合わせた状態でその穴に合わせてボディ側にもピンバイスで穴を開け、そこに延ばしランナーでシャシー側に差し込む凸部を設けます。 そしてシャシー側もボディと合わせるときに干渉する部分を一寸削ることで、仮組作業がやり易くできるようにしました。
 塗装はレーシングオレンジはキットのインストの指示通りに、ボンネットの艶消しの部分はリアランプ周りとリアスポイラーと共に艶消しのガンメタルを調色して塗りましたが、艶消し黒にしか見えませんね。
 基本的にストレスなく組めるキットですので初心者にもお勧めできますし、中級者以上の技術のある人にも、先程記したアンダーカバーを自作したり、他のキット(フジミやタミヤからは同じエンジンを積んだスカイラインGT−Rが発売されていますし、フジミからはエンジン単体でもキットが発売されています)からS20型エンジンを持ってきて載せるとか色々手を入れられる余地を持っていますので、是非組んでいただきたいキットです。