KENWORTH W500(version Optimus Prime)
(GERMAN REVELL 1/25)


 1912年にガーリンガー・モーターカーという名で始まったケンワースは、フレイトライナー・ピータービルトに並ぶアメリカ合衆国の大手トラックメーカーで、このW900は、独自のエアサスペションを装備し快適性と堅牢性を両立させ、伝統的なキャブスタイルと相まって、現在でもアメリカ国内では人気のトラクターヘッドの1台です。
 ドイツレベルから発売されたこのキットですが、スケールが1/25ということからも判りますように、アメリカレベルで以前発売されていたもののバージョン替えのキットです。今回のレビューは、ちょうどこのキットを製作しているときに公開されていた映画『トランスフォーマー・リベンジ』に感化され(?)、オプティマス・プライム仕様で製作することとしました。
 とはいうものの、映画のオプティマスのモデルは、ともに現在はパッカーの子会社であるピータービルト社製のモデル3799(『トランスフォーマー』総指揮のスピルバーグの出世作で有名な『激突!』に使用されたのが同じくピータービルト社のモデル351だったことのオマージュだそうで)なので、あくまで「トランスフォーマー好きのおっちゃんが映画のはピータービルトだったけど自分のケンワースをむりやりオプティマス・プライムにしちゃった仕様(長いわ!)」です。
 製作に関しては、フロントフェンダーのヘッドライトのハウジングを削り落してピータービルト風にラインを修正した以外は特に外形はいじっておりません。ただし、パーツの合いは元のキットが古いためかあまり良くはないので仮組をきちんと行うことがポイントです。
 キットと異なる部分(フロントバンパーとリアフェンダー)は1ミリプラ板で新造しました。ヘッドライトの基部やカバーも同様にプラ板で製作しました。

 運転席後ろのキャビンは前述のとおりパーツの合いが悪いので、きちんと調整した後接着、各パーツの段差をなくした後、シェブロンモデルのビーディングツールでリベットを追加しました。
運転席上のライトはキットではライト5基+ラッパ2基になっていますが、ライトのパーツを型想い+プラリペアで複製して7つ全てライトに変更しました。
 車体各部に付けられたイルミネーションのライトは、当初は他メーカーのデコトラのキットからの流用を考えておりましたが、形が違うし数も揃えなかったので、近所の手芸店で買ってきたスワロフスキーのラインストーンと丸カンを組み合わせたものを貼り付けていきました。リアフェンダー後端のストップランプには100円ショップで購入したデコ携帯かデコ爪に使うのであろうパーツを使いました。
 バックミラー上部のアンテナやフロントバンパーの車幅確認のポールは0.5ミリ洋白線を使用。ポール端部の丸いものはこれまた手芸店で買ったビーズを使用しました。
 今回自作したパーツの殆んどがメッキパーツとなるのですが、その再現にはハセガワトライツールの極薄ミラーシートのミラーフィニッシュを使いました。キットでメッキパーツでなかったエアクリーナーにも用いましたが、おそろしく曲面や段差になじみますので重宝いたしました。オプティマス・プライム仕様にするにあたり、重要なのは全面に描かれたファイヤーパターンの再現です。そのために、ネットで掲げられている画像をダウンロードしたり、編集部からお貸しいただいたタカラトミーのおもちゃをデジカメで撮影して素材をゲットしました。そしてその画像にフォトショップ上でレイヤーを重ねてファイヤーパターンの輪郭を写し取ります。写し取った輪郭を黒で塗りつぶして最後にも一つレイヤーを重ねて、そこに塗りつぶしたものの境界線を黒で描いてデータは完成です。デカールの印刷はアルプスのMD−5500を使います。特色印刷(単色)で下地となるホワイト→メタリック青or赤→シアンorマゼンダ→(境界線のみのレイヤーのみ)シルバーの順で印刷していきました。印刷後表面の保護を兼ねて、マイクロスケールのリキッドデカールフィルムを塗布しました。
 ボディの塗装は下地の白にガイアカラーのEXホワイトを用い、その上にクレオスのメタリックブルーとメタリックレッド。ボンネットのオレンジは以前知り合いに作ってもらったオレンジマイカです。塗装後デカールを貼った後、ガイアカラーのEXクリアーを何度かに分けて吹きつけ、水ペーパー+ホルツのコンパウンドで研ぎだしました。